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使われなくなった和室が我が家一の快適空間に
我が家の二階の北側には、もう何年も使われていない六畳の和室がありました。かつては子供が小さかった頃の遊び部屋、その前は客間として使われていましたが、今となっては年に数回しか開けない段ボール箱や、季節外れの扇風機などが置かれた、完全な物置部屋です。畳は日に焼け、ささくれ立ち、壁の聚楽壁は触れるとポロポロと砂が落ちてくる始末。この部屋に入るたびに、澱んだ空気と薄暗さに、なんとなく気分まで滅入ってしまうのでした。このままではいけない、この空間をどうにかして蘇らせたい。そんな思いが日に日に強くなり、ついに家族会議を開いてリフォームすることを決意しました。私たちが目指したのは、夫婦二人が静かに過ごせるセカンドリビングのような空間。時には読書を楽しみ、時には趣味の手芸に没頭できる、そんな落ち着いた部屋が理想でした。数社のリフォーム会社に見積もりを依頼し、最終的に選んだのは、私たちの曖昧なイメージを丁寧に形にしてくれた地元の工務店です。床は畳を撤去して、足触りの良い無垢のオーク材フローリングに。壁は古い聚楽壁を剥がし、調湿効果のあるライトグレーの珪藻土を塗ってもらうことにしました。そして、このリフォームの主役ともいえるのが、窓際の造作カウンターです。横長の窓の下に、部屋の端から端まで続く木のカウンターを設え、そこを読書スペースにするというプランでした。工事が始まると、長年見慣れた和室があっという間に解体され、床下や壁の構造が露わになりました。職人さんたちが手際よく断熱材を入れ、新しい下地を組み、一枚一枚丁寧にフローリングを張っていく様子は、見ていて飽きることがありませんでした。そして約十日後、リフォームは完了しました。恐る恐るドアを開けた瞬間、目に飛び込んできた光景に、思わず夫と二人で「わあ」と声を上げてしまいました。そこには、以前の薄暗い物置部屋の面影はどこにもなく、木の香りが清々しい、明るく洗練された空間が広がっていたのです。窓から差し込む光がオークの床を柔らかく照らし、グレーの珪藻土の壁が落ち着いた雰囲気を醸し出しています。造作カウンターは想像以上の出来栄えで、まるでカフェの特等席のようです。今では、この部屋は私たち夫婦のお気に入りの場所になりました。週末の朝は、それぞれ好きな本を持ち込み、カウンターでコーヒーを飲みながら過ごします。