リフォームでダウンライトを取り入れたものの、「なんだか思っていたのと違う」「かえって暮らしにくくなった」と感じてしまうケースは、残念ながら少なくありません。しかし、これらの失敗談には、成功への重要なヒントが隠されています。よくある失敗例から、理想の照明計画を実現するための法則を学びましょう。最も多い失敗が、「暗すぎた、または明るすぎた」という明るさに関する問題です。例えば、リビングにダウンライトを数個設置したものの、思ったよりも暗く、部屋全体が薄暗い印象になってしまった、というケースです。これは、部屋の広さに対して、必要なダウンライトの数や、一つひとつの器具の明るさ(ルーメン数)が不足していることが原因です。逆に、寝室に明るすぎるダウンライトを設置してしまい、リラックスできる雰囲気にならなかった、という失敗もあります。この失敗を防ぐ法則は、「調光機能を必ず導入する」ことです。調光機能さえあれば、もし明るすぎても、手元のスイッチで簡単に最適な明るさに調節することができます。迷ったら、少し明るめの器具を選んでおき、調光で対応するのが賢明です。次に多いのが、「配置の失敗」です。特にリビングでよくあるのが、ソファに座ってくつろいでいる時に、真上にあるダウンライトの光が直接目に入ってしまい、眩しくて不快に感じる、というケースです。また、ダイニングテーブルの真上にダウンライトを一つだけ設置したら、座る人の顔に強い影ができてしまった、という例もあります。これらの失敗を防ぐ法則は、「人が長時間過ごす場所の真上は避けて配置する」こと、そして「複数の光源で多方向から照らす」ことです。ソファの真上ではなく、少しずらして壁際や通路側に配置したり、ダイニングテーブルはペンダントライトとダウンライトを組み合わせたりする工夫が有効です。さらに、「光の色選びの失敗」も挙げられます。家中のダウンライトをすべて同じ昼白色に統一したら、寝室までオフィスのような雰囲気になってしまい、くつろげない、という失敗談です。この対策となる法則は、「部屋の用途に合わせて光の色を使い分ける」ことです。活動的なキッチンや書斎は昼白色、くつろぎたいリビングや寝室は電球色、というように、空間の目的に応じて光の色をデザインする視点が重要です。