「今の部屋の照明は、なんだか暗くて物足りない」「壁に飾った絵をもっと素敵に照らしたい」。そんな時、大掛かりなリフォームをしなくても、既存の天井にダウンライトを「後付け」で増設することが可能です。ただし、その実現可能性は、建物の構造や天井裏の状態に大きく左右されるため、まずは専門家による現地調査が不可欠となります。ダウンライトを後付けで増設する工事は、まず、設置したい位置の天井に、ダウンライトの器具に合わせたサイズの穴を開けることから始まります。次に、その穴から天井裏に手や道具を入れ、既存の電気配線から電源を分岐させ、新設するダウンライトまでケーブルを引いていきます。この「天井裏での配線作業」が可能かどうかが、後付けリフォームの最大のポイントです。天井裏に、人が作業できるだけの十分なスペース(点検口などからアクセスできる屋根裏部屋や、二重天井の懐など)があれば、配線作業は比較的容易に行えます。しかし、天井板のすぐ上にコンクリートの躯体があったり、断熱材が隙間なく敷き詰められていたりして、天井裏に全くスペースがない場合は、配線を通すことができず、後付けは困難となります。その場合は、天井の表面に配線モールを這わせる露出配線という方法もありますが、見た目の美しさは損なわれます。また、天井を支えるための「野縁(のぶち)」と呼ばれる木材が、設置したい位置の真上にある場合も、それを避けて穴を開ける必要があります。どこに野縁が通っているかは、壁裏センサーなどの道具を使えば、ある程度予測することが可能です。もし、電気工事を伴う埋め込み式のダウンライトの増設が難しい場合でも、諦める必要はありません。もっと手軽な代替案があります。その一つが、「ライティングレール(ダクトレール)」の活用です。これは、天井にレール状の配線器具を取り付け、そのレール上であれば、好きな位置に、好きな数のスポットライトなどを自由に付け外しできるシステムです。既存のシーリングライトの配線器具に、工事不要で取り付けられる簡易型のライティングレールも市販されています。これを使えば、壁を照らしたり、手元を照らしたりと、ダウンライトのように多灯分散の照明を手軽に実現できます。
後付けでもできる?ダウンライト増設リフォーム