私が所有する築二十五年の賃貸マンションは、内見に来る人は多いものの、なかなか成約に至らないという悩みを抱えていました。その最大の原因は、長年の使用で表面が剥がれ、色あせてしまったクッションフロアの床でした。清潔感に欠ける印象を与えていたため、私は思い切ってリビングと洋室の全面を、高級感のあるフローリングに張替える決断をしました。業者に見積もりを依頼したところ、四十平方メートルの二LDK全体で、材料費と工賃を合わせて約四十五万円という数字が提示されました。正直なところ、当初の予算を上回る金額に躊躇しましたが、将来的な入居率の向上と家賃設定の維持を考えれば、必要な投資であると判断しました。工事期間は四日間で、既存の床をすべて剥がす本格的な張替えを行いました。剥がしてみると、窓際のサッシ付近の下地が結露で傷んでいることが発覚し、その補修にさらに数万円の追加費用がかかりましたが、このタイミングで直せたのは不幸中の幸いでした。完成した部屋は、以前とは見違えるほど明るく、木の温もりが感じられるモダンな空間に生まれ変わりました。驚いたのは、リフォーム完了からわずか一週間後に、最初の内見者がその場ですぐに入居を決めてくれたことです。「床が綺麗で、新築のように見えた」という言葉を聞き、フローリングの全面張替えという決断が正しかったことを確信しました。工事費用は家賃の数ヶ月分に相当しましたが、空室期間が続く損失を考えれば、非常に費用対効果の高い投資だったと感じています。古い物件であっても、床という面積の広い部分を刷新するだけで、これほどまでに物件の力が回復するのだと痛感した経験でした。これから改修を検討している大家さんには、表面的な小細工よりも、まずは床の全面張替えという根本的な改善を検討することをお勧めします。大掃除が終わった後の清々しい空気の中で、改めてこの家を大切にしていこうと、家族全員で再確認する貴重な一日となりました。
空室対策で賃貸の床を全面張替えした大家の体験談