手軽にできる住まいのデコレーションと改修術

台所
  • 団地の狭いキッチンを快適な空間へ変える

    台所

    団地での暮らしにおいて、多くの人がリフォームで改善したいと願う場所の一つが「キッチン」です。昭和の時代に設計された団地のキッチンは、現代のライフスタイルと比べると、どうしても狭く、収納が少なく、作業スペースも限られていることがほとんどです。しかし、リフォームの工夫次第で、このコンパクトなキッチンを、驚くほど機能的で、料理が楽しくなるような快適な空間へと生まれ変わらせることが可能です。団地のキッチンリフォームでまず検討したいのが、レイアウトの変更です。古い団地に多いのが、壁に向かって作業する独立型の「壁付けキッチン」です。このレイアウトは、背後にダイニングテーブルを置けるなど、省スペースである一方、リビングに背を向けて作業するため、孤独感を感じやすいというデメリットがあります。もし、構造上の制約が許すのであれば、リビングダイニングの方を向いて作業できる「対面式キッチン」への変更を検討してみましょう。壁を取り払ってカウンターを設けることで、開放感が生まれ、料理をしながら家族と会話したり、子どもの様子を見守ったりすることができます。ただし、壁が構造壁である場合や、排気ダクトの位置によっては、対面化が難しいケースもあるため、専門家との入念な相談が必要です。レイアウトの変更が難しい場合でも、システムキッチンを新しいものに交換するだけで、使い勝手は飛躍的に向上します。最近のコンパクトなシステムキッチンは、限られたスペースを最大限に活用するための工夫が満載です。引き出し式の収納は、奥の物まで楽に取り出すことができ、従来の開き戸タイプに比べて収納量が格段にアップします。食洗機をビルトインすれば、シンク周りがすっきりと片付き、家事の負担も軽減されます。ワークトップの素材を、熱や傷に強い人工大理石やステンレスにすれば、調理の効率も上がります。収納力をさらにアップさせるためには、壁面を有効活用することが鍵となります。コンロ周りの壁にマグネットパネルを取り付ければ、調理器具やお玉などを浮かせて収納できます。手の届きやすい位置にオープンな棚(見せる収納)を設ければ、よく使う調味料や食器を、おしゃれに、かつ機能的に配置することが可能です。限られた空間だからこそ、一つひとつの要素を吟味し、自分たちの調理スタイルに合わせて最適化していきます。

  • キッチンを機能的に照らすダウンライト計画

    台所

    キッチンは、美味しい食事を作るための、機能的で安全な作業空間でなければなりません。そのため、キッチンの照明計画では、デザイン性以上に、作業のしやすさを最優先に考える必要があります。ダウンライトは、そのスッキリとした見た目と、的確な配光能力で、キッチンを明るく、使いやすい場所へと変えるための最適なソリューションです。まず、キッチン全体の明るさを確保する「全般照明」として、天井に「拡散タイプ」のダウンライトを複数配置します。これにより、キッチン全体がムラなく明るくなり、快適な作業環境の基礎が作られます。この時、選ぶべき光の色は、食材の色を自然に見せる「昼白色」がおすすめです。温かみのある電球色では、肉や魚の鮮度の判別がしにくくなる場合があります。次に、キッチン照明で最も重要なのが、「手元灯」の計画です。調理を行うワークトップや、洗い物をするシンクの上は、天井の全般照明だけでは、自分の体の影になってしまい、手元が暗くなりがちです。これを解消するために、ワークトップの真上の天井に、集光性のあるダウンライトを追加で配置します。これにより、包丁を使う際や、細かい作業をする際の手元が明るく照らされ、作業効率と安全性が格段に向上します。吊戸棚がある場合は、その底面に薄型のダウンライトやライン照明を設置するのも非常に効果的です。また、食器棚やパントリー(食品庫)の内部にも、ダウンライトを設置すると、奥にしまった物が見やすくなり、非常に便利になります。扉を開けると自動で点灯する、人感センサー付きのダウンライトを選べば、さらに使い勝手が良くなります。デザイン面では、ダイニング側から見える位置に、ペンダントライトをアクセントとして吊るし、キッチン内の実用的な照明はダウンライトですっきりとまとめる、という組み合わせも人気です。これにより、機能性とデザイン性を両立させた、おしゃれなキッチン空間が生まれます。清潔で、安全で、そして料理をするのが楽しくなる。緻密に計画されたダウンライト計画が、理想のキッチンを実現します。