リフォームの主役はダウンライトにあり
住まいのリフォームを考えるとき、間取りの変更や内装材の選定、キッチンや浴室といった設備機器に意識が向きがちですが、空間の質と雰囲気を最終的に決定づける上で、実は「照明計画」が極めて重要な役割を果たします。そして、現代の照明計画において、もはや主役とも言える存在が「ダウンライト」です。ダウンライトは、天井に埋め込んで設置する小型の照明器具で、そのシンプルで主張しすぎないデザインは、あらゆるインテリアスタイルに調和します。天井面がフラットになるため、空間がすっきりと広く見えるのが最大の特長です。ペンダントライトやシーリングライトのように、天井から器具がぶら下がらないため、圧迫感がなく、地震の際に揺れて危険という心配もありません。かつては、部屋の中央に大きなシーリングライトを一つだけ設置する「一室一灯」が日本の住宅照明の常識でした。しかし、この方式では部屋全体が均一に明るくなる一方で、空間がのっぺりと単調に見えてしまうという欠点がありました。ダウンライトは、この常識を覆し、必要な場所に、必要なだけの光を配置する「多灯分散」という、より自由で洗練された照明計画を可能にします。複数のダウンライトを効果的に配置することで、空間に美しい陰影とリズミカルな光の濃淡を生み出し、まるでホテルのラウンジやおしゃれなカフェのような、上質で奥行きのある雰囲気を演出することができるのです。リフォームは、ダウンライトを効果的に取り入れる絶好の機会です。天井の工事を伴うリフォームであれば、配線の自由度が高く、理想的な位置にダウンライトを配置することが可能です。たかが照明、されど照明。ダウンライトを巧みに操ることが、リフォームのデザインを成功へと導く、最も重要な鍵となるのです。