壁のDIYリフォームの中で、最もポピュラーで多くの人が最初に挑戦するのが「壁紙(クロス)」の張り替えです。デザインのバリエーションが非常に豊富で、部屋の雰囲気を一瞬で変える力を持つ壁紙は、DIYの醍醐味を存分に味わえる最高の素材と言えるでしょう。特に最近では、初心者でも扱いやすい製品が充実しており、正しい手順を踏めば、プロ顔負けの美しい仕上がりを実現することも夢ではありません。DIYで使われる壁紙には、大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、壁紙の裏に自分で糊を塗って貼り付ける「糊なしタイプ」。そしてもう一つが、あらかじめ裏面に糊が塗布されている「糊付きタイプ」です。DIY初心者には、断然、後者の糊付きタイプをおすすめします。糊を塗る手間が省け、袋から出せばすぐに貼り始められるため、作業が非常にスムーズに進みます。さらに手軽なものとして、裏面がシール状になっている「シールタイプ(剥がせる壁紙)」もあります。これは、既存の壁紙の上から直接貼ることができ、失敗しても貼り直しが効き、賃貸住宅でも原状回復が可能なため、絶大な人気を誇ります。壁紙を張る手順は、まず丁寧な下準備から始まります。部屋の壁の高さと幅を正確に測り、必要な壁紙の量を計算します。柄物の壁紙を選ぶ場合は、柄を合わせるためのロス分も考慮して、少し多めに用意するのがポイントです。次に、スイッチプレートやコンセントカバーをドライバーで取り外し、床や家具、窓枠などを汚さないように、マスカーやマスキングテープでしっかりと養生します。古い壁紙が剥がれかけている場合は、めくっておきましょう。準備が整ったら、いよいよ壁紙を張っていきます。天井から床に向かって、少し長めにカットした壁紙を、曲がらないように慎重に貼り付けます。中心から外側に向かって、専用のヘラ(スムーサー)を使って空気を抜きながら、壁に密着させていくのが綺麗に仕上げるコツです。二枚目以降は、一枚目の壁紙の柄や端に少し重ねて貼り、重なった部分をカッターで切り落とす「重ね切り」という方法で、継ぎ目を目立たなくさせます。余分な上下の部分をカッターで切り落とし、最後にローラーで継ぎ目を押さえれば完成です。最初は難しく感じるかもしれませんが、一枚、二枚と張っていくうちに、必ずコツを掴めるはずです。