壁紙にはない、独特のマットな質感や、自分だけのオリジナルカラーを求めるなら、「塗装(ペイント)」による壁のDIYが最適です。ペンキで壁を塗るというと、少し難易度が高いように感じるかもしれませんが、正しい手順とちょっとしたコツさえ押さえれば、初心者でも驚くほど美しい仕上がりを実現できます。海外のインテリア雑誌に出てくるような、おしゃれで個性的な空間を、自分の手で創り上げてみませんか。塗装DIYの最大の魅力は、その自由度の高さにあります。塗料メーカーからは、数千にも及ぶ色のバリエーションが提供されており、微妙な色合いの違いにまでこだわって、自分の理想の色を選ぶことができます。万が一、既成色に好みの色がなくても、複数の色を混ぜ合わせてオリジナルのカラーを作ることも可能です。また、壁紙のように継ぎ目がないため、シームレスで美しい壁面が仕上がるのも特徴です。マットな質感で落ち着いた雰囲気にしたり、少し光沢のあるタイプで明るい空間を演出したりと、塗料の種類によって質感をコントロールできるのも、塗装ならではの楽しみです。塗装を成功させるための鍵は、何と言っても「養生」と「下地処理」にあります。ペンキがついてはいけない床や窓枠、コンセントなどを、マスキングテープやマスカーで徹底的に保護する養生作業は、仕上がりの美しさに直結する最も重要な工程です。この作業を丁寧に行うことで、塗りたくない場所にペンキがはみ出すのを防ぎ、美しい直線ラインを生み出すことができます。下地処理も同様に重要で、壁の穴やひび割れはパテで埋め、汚れや油分はしっかりと拭き取っておきましょう。これらの下準備が終わったら、いよいよ塗装です。まずは、塗料が壁にしっかりと密着するための下地材「プライマー」や「シーラー」を塗ります。これが乾いたら、メインの塗料を塗っていきます。部屋の隅やコンセント周りなどの細かい部分は刷毛(ハケ)で、広い面はローラーを使うと、ムラなく効率的に塗ることができます。一度に厚塗りしようとせず、薄く二度塗りするのが、美しく仕上げるための基本です。手間はかかりますが、ローラーを転がすたびに部屋の景色が変わっていく様子は、DIYの楽しさを実感できる瞬間です。
ペンキで彩る自分だけの壁デザイン