マンションという限られた空間の中で、土間を取り入れるリフォームが密かなブームとなっています。一戸建てと違い、地面に接していないマンションで土間を作るには、特有の制約とそれを乗り越えるための工夫が必要です。まず大きな課題となるのが、床の高さと重量の制限です。マンションの床下には配管が通っていることが多いため、床を掘り下げて土間を作ることは困難です。そこで一般的によく行われるのが、玄関から続く廊下の一部やリビングの窓際を、一段「上げる」ことで土間スペースを確保する手法です。床を一段高くし、その部分をタイルやモルタル調のフロアタイルで仕上げることで、視覚的に土間として独立した空間を作ります。この際、マンションの管理規約に定められた「遮音性能」をクリアしなければなりません。モルタルやタイルを直接コンクリートの床に貼ると、階下に音が響きやすくなるため、遮音性の高い下地材を組み合わせるのが鉄則です。また、マンションは玄関が暗くなりがちですが、土間をリビングまで延長させることで、窓からの光を玄関先まで導く「通り土間」のような効果を得ることができます。これにより、玄関を開けた瞬間の開放感が劇的に向上し、狭いマンション特有の圧迫感が解消されます。収納面でも、従来の壁で仕切られたシューズクローゼットの代わりに、土間の一部をオープンな収納にすることで、湿気がこもりにくくなり、お気に入りの靴や趣味の道具をディスプレイするように収納できます。さらに、ベランダに面した窓際を土間にする「インナーバルコニー」的な使い方も人気です。植物を育てたり、サンルームのように日光浴を楽しんだり、外の景色を眺めながらワークスペースとして活用したりと、都市生活の中に自然を取り入れる緩衝地帯として機能します。マンションリフォームでの土間作りは、限られた面積をいかに多層的・多目的に使うかというパズルを解くような楽しさがあります。施工実績の豊富なプロのアドバイスを受けながら、構造上の制限を逆手に取った独創的なプランを立てることで、画一的なマンションの間取りを自分らしい個性的な住まいへと刷新することができるでしょう。
マンションで土間を作るリフォームの工夫