掃き出し窓と呼ばれる床から天井まである大きな窓の網戸は、高さが二メートル近くあり、一人で取り外すのは想像以上に危険な作業です。特に高層マンションのベランダや、足場の悪い二階の窓などでは、網戸の取り外しが命に関わる事態になりかねません。安全に網戸を外すための最も重要な知恵は、決して「一人で無理をしない」ということに尽きます。大きな網戸は風の影響を受けやすく、外れた瞬間に突風に煽られると、大人の男性でも支えきれずに網戸ごと外へ放り出されそうになることがあります。作業を行う日は、風の弱い穏やかな日を選び、必ず室内側とベランダ側に一人ずつ配置して、網戸の両端をしっかり保持しながら慎重に浮かせることが基本です。また、作業前には周囲の安全確認も欠かせません。万が一網戸から手が滑った場合に備え、ベランダの手すりよりも高い位置に持ち上げないように意識し、低い位置でスライドさせてから室内へ引き込むようにします。取り外す際に使うドライバーなどの道具も、落下防止の紐をつけるなどの配慮が必要です。さらに、自身の安全だけでなく、サッシや床を傷つけないための工夫も大切です。重い網戸の下部を手前に引く際、サッシのレールにアルミの角が当たって深い傷をつけてしまうことがよくあります。これを防ぐために、あらかじめレールの手前に厚手のタオルや段ボールを敷いて養生しておくと安心です。網戸を室内へ運び入れた後も、長いフレームが天井の照明や壁紙に当たらないよう、動線を確保しておくことがスムーズな作業につながります。高所作業がどうしても不安な場合や、網戸が歪んでいてビクともしない場合は、無理に自分で解決しようとせず、サッシ専門の業者や便利屋に依頼するのも賢い選択です。数千円の費用を惜しんで怪我をしたり、建物を損壊させたりしては本末転倒です。安全という土台があって初めて、住まいの手入れは意味を成すものです。正しい知識と十分な準備、そして無理をしない勇気を持って、安全第一で作業に臨んでください。
高所や重い網戸を安全に外すための知恵