おしゃれなライフスタイルブログで目にするような、木の香りが漂う無垢材のフローリング。自分の賃貸物件でもそんな素敵な空間を実現したいと願う大家さんは少なくありません。しかし、賃貸物件において天然の木を切り出した無垢フローリングの全面張替えを行うには、費用面と管理面でいくつかの高いハードルがあることを知っておく必要があります。まず費用についてですが、一般的な複合フローリングに比べて、無垢材は材料費だけで二倍から三倍近くになります。例えば十畳のリビングを張替える場合、材料費だけで十五万円から二十五万円程度、施工費を合わせると四十万円を超えることも珍しくありません。なぜこれほど高いのかと言えば、天然木は一枚一枚に個性があり、職人がその表情を見極めながら手作業で張り合わせていく必要があるため、高度な技術と時間が要求されるからです。さらに、無垢材は周囲の湿度に合わせて膨張と収縮を繰り返す「生きている素材」です。そのため、入居者が適切な換気や掃除を行わなければ、反りや隙間、最悪の場合は床鳴りが発生するリスクがあります。賃貸物件では入居者の使い方を完全にコントロールすることは難しいため、退去時の補修費用を巡るトラブルになりやすいという側面も無視できません。こうしたリスクとコストを回避しながら無垢のような質感を出すための代替案として、最近注目されているのが「突板フローリング」や、より安価な「シートフローリング」のハイグレードモデルです。表面に本物の木の薄皮を貼った突板タイプであれば、無垢の風合いを楽しみつつ、芯材に合板を使用しているため変形が少なく、費用も無垢の六割程度に抑えられます。ブログで見るような憧れの空間を追求するのは素晴らしいことですが、賃貸経営というビジネスの側面では、メンテナンスの容易さと見た目の美しさ、そして張替え費用のバランスをどこで取るかが重要です。自分の理想を形にしつつ、次の入居者も安心して暮らせる床選びをすることが、長く愛される物件作りのポイントと言えるでしょう。
憧れの無垢床を賃貸の全面張替えで実現する際の費用感